- 観光
- 三浦の旬
旬です!三浦のみかん狩り2023。市場に出回らない希少な「三浦のみかん」は酸味と甘みが絶妙
10月中旬〜11月末までの短いひととき、三浦でみかん狩りを楽しめることをご存知ですか?三浦市でみかん狩りができる11の農園を一挙紹介します。
2023.10.15
2020.08.19
三崎口駅からバスで終点の三崎港まで約15分。バス停に着くとそこには、漁港に商店街、おだやかな下町が出迎えてくれる。漁港から一本路地を入った住宅街にあるのが「割烹 松風」。1970年代からのバブルを経て、三崎の歴史がきざまれた「松風」は、一度訪れたらまた必ず行きたくなる場所だ。
今回は45年以上続く「松風」の歴史、ぜひ味わってほしい自慢の鮮魚メニュー、お店とお客さんのエピソードをご紹介。読み終わる頃にはきっと、みなさんも訪れたくなるはず。担当は古矢美歌です。
三崎港のバス停から歩いて5分ほど。漁港のすぐそば、花暮岸壁沿いから1本入った住宅街にある「割烹 松風」。
花紋が描かれた立派な店構えだが、身構えず、気軽に扉を開けてほしい。おしゃべりで可愛らしいお母さんと、飄々と厨房に立つ気のいいお父さんが出迎えてくれる。
「松風」は、三崎名物のまぐろをはじめ、海鮮を中心とした割烹料理が食べられるお店だ。
カウンターでしっぽり飲むもよし、小上がりの座敷でゆっくり食事を楽しむもよし。店の奥にある座敷では大人数で宴会もできる。
店内は物が多い。夏祭りの提灯、撮影で三崎に訪れた著名人のサイン、写真。カウンター越しに見える50年ものの厨房は、使い込まれていて渋い。
この雑多感こそがノスタルジックを感じさせる。故郷に帰ってきたような安心感すらある。
「松風」は開店してから45年、夫婦二人三脚で営んでいる。
福島県出身、バーテンダーを経て先代が営んでいた当時の「松風」で料理人として修行していたお父さん。宮城県出身で、久里浜で美容師をしていたお母さん。
2人が出会って結婚し、20代の頃にお店を受け継いで、新しい「松風」としてスタートした。
そんな「松風」は、三崎の飲み屋を語るにはまちがいなく外せない場所だ。
ひとまず瓶ビールを頼んでメニューを眺めていると、運ばれてきたのは「松風」自慢のお通し。お盆に4つも小鉢がのっている。
「最初の料理は、お店の顔だからね。良いお通しが出てくるとそのあとも期待できるでしょ」
今回のラインナップは、「鯵のマリネ」「サザエとトコブシ」「ひじきの煮物」「まぐろのたまご」。
お通しの代わりに「おまかせ膳(3,800円)」を頼むのもいい。小鉢数種類、刺身、煮物や焼き物が盛られている。これをつまみにみんなで飲むのはもちろん、ごはんを頼んでたらふく食べるのも最高だ。
「松風」の魚は養殖ではなく天然もの。とにかく鮮度がいい。「刺盛(3,000円より。価格はすべて税込)」は1人前から注文できる。
がっつり食事がしたい人には「マグロ丼(2,400円)」「海鮮丼(2,300円)」もおすすめだ。
地元民に人気なのは「鶏の唐揚げ(1,800円)」。どでかいピースが6つほど、半身分使っているんだとか。量が多いので3人以上で食べるといい。
「みんな、実家に帰ってきたみたいって言ってくれるね」
そんなお母さんの言葉通り、訪れた人はみんな口を揃えて家のようだという。私も初めて訪れたときから妙にくつろいでいた憶えがある(しっかり酔っ払った)。
お客さんの8割は地元民だが、観光客のリピーター率も高い。
初めての人にもお母さんは平等に “お母さん” で、気さくに話しかけてくれる。下町の地元にある割烹だなんて聞くと、一見さんは入りづらく馴染めないんじゃないかと思うが、「松風」はまったくそれを感じさせないのだ。
「数年ぶりに来てくれたお客さんに声をかけると驚かれるね。それでお客さんは喜んでくれるけれど、私たちの喜びでもあるんだよ」
バブルの頃、三崎は今以上にまぐろ漁船で栄え、眠らない町と言われたほど。関連会社も多く存在した。「松風」では毎日のように接待や、下宿している船乗りの宴会がおこなわれていたんだそう。
当時から「松風」は積極的にお客さんと話し、お店が終わったあとは朝まで一緒に飲むことも多かったという。三崎の土地に馴染もうと、祭りやイベントごとに積極的に参加してきたんだそうだ。
忙しい日々が続き、開店と結婚がちょうど20周年を迎えたとき。二人に嬉しい出来事が起きた。
お母さんが「結婚式をしていない」といったことを覚えていた常連さんたちが、サプライズで結婚式と披露宴を開いてくれたのだ。
「私たちは身2つで呼ばれただけ。神社での式も、ホテルでの披露宴も、お揃いの時計のプレゼントも、ぜんぶみんなが用意してくれたんだよ」
「驚いたよねぇ」
どんなときもお客さんのことを一番に考え、どこから来た誰にでも、大きく手を広げてもてなしてきたのがよくわかる。この話を聞いたあと、私はまたひとつ「松風」と二人のことが好きになっていた。
港からすぐ近くの住宅街。新鮮な魚を使ったおいしい料理の数々。実家を感じさせる懐かしい空間、会話。
これを読んでいるみなさんはすでに「松風」に行きたくなっていると思うが、もっとお店を楽しむ方法を伝授したい。
それは、カウンターで常連さんに話しかけてみること。
取材当日、カウンターに座っていた常連さん。50年も前から「松風」に来ているという。生粋の三崎人だ。お父さんと常連さんの会話を聞いていると喧嘩口調で驚いてしまうが、これが三崎のスタンダード。お父さんのことをいじり続けている。
「多いときは1日おきに来てる。昔っからある店もそう多くないしなぁ。もう家族みてぇなもんだな」
常連さんの言葉にお父さんも、「身内って感じだよなぁ、もう」と笑う。
三崎に来たなら、「松風」で 下町のご近所飲みを味わってみるのもいい。
観光だけじゃない、暮らしを体感することができる。そんなかけがえのないお店だ。
店舗名:割烹 松風
所在地:神奈川県三浦市三崎2-14-8
お問合せ:046-882-5976
営業時間:17:00〜22:00
定休日:不定休
駐車場:店舗横に2台分あり
お支払い方法:現金
席数:カウンターが5席、座敷が22席
10月中旬〜11月末までの短いひととき、三浦でみかん狩りを楽しめることをご存知ですか?三浦市でみかん狩りができる11の農園を一挙紹介します。
2023.10.15
三崎港からすぐ近くに、本格的なスパイスカレー屋「bombaia」がオープン!「アナン」直伝のスパイスカレーを色鮮やかなミールススタイルで。
2023.05.18
老舗まぐろ問屋が満を持してオープンさせた「FISHSTAND」。大トロを用いた熱々の特大フィッシュフライと、二度揚げされたカリカリほくほくのポテトフライを!
2023.02.02