2021.07.03

三浦野菜とお酒を愉しむ、蒸し料理の店。女性ひとりで営む「蒸籠食堂 かえる」

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三浦野菜とお酒を愉しむ、蒸し料理の店。女性ひとりで営む「蒸籠食堂 かえる」

2021年5月の中頃、三崎銀座商店街に新しい飲食店がオープンした。お店の名前は「蒸籠食堂 かえる」。むしかごじゃなく、せいろと読む。かえるで食べられるのは、旬の三浦野菜を詰め込んだ蒸し野菜、蒸し餃子など、せいろでまるごと提供する蒸し料理。他にも、台湾の人気料理・魯肉飯(ルーローファン)を求めて訪れる人も多い。食堂であり、酒場であり、スナックのようなお店・かえるについて、gooone編集部の一員でもあり、店主である古矢美歌が自らご紹介させていただきます。

元スナックを半改装。9席だけの小さなお店

三崎港のバス停を降り、三崎銀座商店街を歩くこと3分。老舗菓子屋「嶋清」の角を曲がり、古道具屋「ロジ」の2軒ほど隣。うどん屋「はるかぜ」の前に新しくオープンしたのが「蒸籠食堂 かえる」だ。

白い壁のこじんまりとした佇まい。昔スナックだったこのお店はどこかひっそりと隠れた雰囲気だけれど、臆せずに扉を開けてほしい。(自分で言うけれど)気さくな店主がひとりでゆったり、時にせかせかと、営業している。

古い喫茶店を感じさせるカウンターの後ろには、スナックならではの鏡が入った陳列棚。棚には、以前の店主が使っていた器やグラス、オープンにあたって集めた酒器、お酒がずらりと並ぶ。

お店作りで一番重視していたことは、女性が気軽に来れる店、ひとりでゆっくり飲める店にすること。そんなイメージから、店主の趣味の本を揃え、食事やアルコール以外にお茶も用意。時間の許す限り、ゆっくりしていってほしい。

席はカウンターが3席(情勢が落ち着けば増やします)。2〜3名がけのテーブル席が2つ。4名を超える場合はテーブル席を拡大して確保するので、Instagram もしくは Facebook のメッセージから事前にご予約を。

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三浦野菜たっぷり。健康的に食べて飲む!

かえるでは蒸し料理を中心に、お酒に合うおつまみ、和食やエスニックをベースにした家庭料理が食べられる。レギュラーメニューをいくつかご紹介する。

「蒸し野菜」(小:500円 / 大:800円)は、三浦や横須賀の旬の野菜を6〜8種類ほど詰め込んで提供。小と大の2種類のサイズから選べる。

店主のイチオシはなす。蒸すとふわふわ&ジューシーでとてもおいしい。

この時期は瓜がおいしく、ほくほくの坊ちゃんかぼちゃ、ズッキーニ、カボッキー(韓国かぼちゃ)が揃う。他にも、もものすけというカブや、ノーザンルビー(ピンクのじゃがいも)など。テーブルに置いてある上質な塩、オリーブオイルやごま油、ポン酢やナンプラーで好きに食べることができ、野菜のていねいに味わうことができる。

中身は季節や日によって変わるのでお楽しみに!

土日のランチで食べられる定食は、ガッツリおかずもついて男性も大満足◎

続いて、ぜひ食べていただきたいのが「蒸し餃子」(4個:500円)。皮から手作りして、ひとつひとつ包んでいる。蒸し餃子に大事なのは食感だ!ということで、皮の配合にこだわり、蒸し立ては本当にもっちもち。おすすめの食べ方は、ナンプラー+砂糖+レモン。タイや台湾の屋台で食べるような、アジアンな気分を味わってほしい。

おかわりする人もいるほど。ご近所さんならテイクアウトも可能

かえるは、実店舗をオープンする前に4ヶ月ほど、近くの蔵書室「本と屯」で間借り営業をしていた。

その頃に出していた「魯肉飯(ルーローファン)」(小:500円 / 大:900円)も、レギュラーメニューとしていつでも食べられる。甘い香りがする八角と五香粉で豚肉を煮込んだ料理で、スパイスは使っているけれど辛くないので、子どもでも食べられる。間借り営業の頃から、魯肉飯を食べに来てくれる幼稚園生の女の子がいるほど。かえるで出す料理はシンプルな料理が多いからか、意外なことに小さなお子さんがもりもり食べてくれる(その姿に店主、毎度大喜びです)。

テイクアウトでもたくさんの方にリピートいただいてます。感謝!
特製ねぎだれが自慢の蒸し鶏、ポテトサラダ、みょうがトマトサラダ

食事のポーションが小さめなので、ひとりで来ても数種類の料理が楽しめる。二軒目として飲みに来るもよし、夜くつろぎにお茶だけしに来るもよし。それぞれの過ごし方を楽しんでほしい。

実は、オープン直前に三浦市にコロナウイルスのまん延防止等重点措置が発令され、アルコールの提供ができなくなった。6月25日(金)の営業から、ついにお酒を提供しての営業が始まった。ビールやレモンサワー、ハイボールなどはもちろん、自然派のワインや、日本酒なども揃えている。

店主の祖母特製・しそソーダが大好評。焼酎を入れたバイスサワーも。

営業していると、「なんで蒸籠だったの?」とよく聞かれる。蒸籠は、店主がまだ東京で編集者の仕事をしていた頃から家で愛用していた調理道具のひとつ。夜遅くに帰っても蒸籠で蒸した野菜やお肉なら罪悪感なく食べられるし、何より毎日食べても飽きないおいしさがある。

元々アレルギーに悩まされることも多く、20代後半に差し掛かり、ストレスが身体に出やすくなった。ハイカロリーな食事&飲酒も大好きだけれど、外食が続くと正直疲れてくる。でも私は、いくつになっても健康的に、おいしく楽しくお酒を飲み続けたい!

それに、ひとりでお店を回すなら蒸し料理はぴったり。蒸している間に他のことができるし、お客さんとゆっくり会話も楽しめそうだ。そういった思いから、大好きな蒸籠をテーマにしたお店を作ったのだった。

【みさきちゃんから一言】
店主がひとりで営業しているので、混雑時&蒸し料理はお待たせすることがあるみたい!どうか多めに見てやってね!

なぜ三崎で移り住み、ひとりでお店を始めたのか

最後に、お店を始めた経緯と私のことを少し。私は大阪府の守口市生まれ。上京し、8年間の東京生活を経て、2020年の11月に三崎に引っ越した。

遡るは2020年の春。新型コロナウイルスや、それ以外にもいろんなことが重なり、「私は来年も今の仕事を続けているんだろうか。心から求めているものはなんだろうか」と考えていた。昔から将来は都会に近い田舎で飲食店をしながら暮らしたいと思っていた私は、まずは住みたい場所を探してみようと動き出したのだった。

SNSを通じて三崎を知り、前述した「本と屯」に惹かれ、2020年6月に初めて三崎を訪れたのがすべての始まり。そこから通えば通うほど、自分が暮らしたい場所になっていく。幼少期を商店街で暮らしたという原体験もあり、三崎の下町の景色や、人々が商売をしながら暮らす姿が自分に馴染む気がしていた。

当時はまだ、東京で食関連のウェブメディアの編集の仕事をしながら三崎に通っていたが、goooneや、それ以外にも三浦関連の仕事を少しずついただくように。フードスタイリスト、ライター、ウェブサービスのマーケターなどいろんな仕事を転々としてきた私は、三浦での仕事を通じて、自分がやってきたことで、身近な人の力になれるかもしれない、と思い始めていた。

それに、三浦に来てから数えきれないほどの優しさをもらった。「飲食やりたいの?いいじゃん、三崎ならできるよ!」「足に困ったら車いつでも出すから言ってね!」「うちのお店で間借り営業してみたら?」。出会って間もない人間に、本当にたくさんの人が手を差し伸べてくれたのだ。

何者かになりたい。もっと自分らしい仕事や肩書きはないか。理想の仕事や暮らしを求めて悩んでいた私は「自分にできることを真摯にやる」という大切なことを理解した気がした。

前述した「本と屯」の店主の計らいから、引っ越した翌月には週末の間借り営業をスタート。そこから4ヶ月が経ったある日、「元々スナックだった物件が空いている。そこで飲食店をやってみないか」という話をいただいた。

夢だった飲食店。それでも、本当に私ひとりでできるのか、もっと料理も勉強したい、お金に余裕がある状態で始めたい、まだ早いんじゃないか。そんなやれない理由ばかりを並べて、実は一度話を断っている。それでも「やってみようよ」と背中を押し、そばでサポートしてくれた人たちがいた。たくさんの人の助けがあり、今お店が営業できていることに心から感謝している。

三崎に来てからすごいスピードで日常が変化していて、正直、のんびり田舎暮らしとは程遠い。でも、近くの海に癒され、近所のおばちゃんとのやりとりに元気をもらい、毎週来てくれる常連さんに勇気をもらっている。本当に楽しい毎日だ。

自分ができることで、地域に住む身近な人たちやお客さんに喜んでもらう。自分の好きな場所で、商売をしながら暮らす。そんな実験の毎日はまだ始まったばかり。お店に来てくれたお客さんとも、身の上話からくだらない話まで、いろんな話をしながらお酒やお茶を交わしたい。

かえるが、自分らしい自分に還れる場所でありますように。楽しくリラックスした時間を過ごし、明日からの活力にしてもらえますように。

ふと思い立ったとき、元気がほしいとき、誰かと話したい気分のとき。ぜひお店に寄っていただけると嬉しいです。

Information

店舗名:蒸籠食堂 かえる

所在地:神奈川県三浦市三崎2-13-10

お問合せ:Facebook または Instagram のメッセージから

営業時間:12:00〜15:00 / 17:00〜23:00(L.O. 30分前)

※金曜日は夜のみ、土日は昼と夜の営業
※材料がなくなり次第、閉店することも有り

定休日:月〜木

駐車場:なし

お支払い方法:現金(電子マネー準備中)

席数:9席(カウンター席3、テーブル席6)

古矢 美歌この記事を書いた人古矢 美歌
1991年世代、大阪府出身。カフェ店員、フードコーディネーターを経て、飲食業界専門の人材サービスでキャリアアドバイザーを3年。ウェブサービスのライター兼コミュニティ担当を3年。食のメディアで編集者&フードスタイリストを2年経験。2020年秋に導かれるように三崎に移住し、現在はフリーの編集ライター・ウェブデザイナーとして働く。週末は本と屯で「間借り食堂 かえる」を営業中!

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