2022.03.06

雑貨屋「ハプニング」は町の文化発信基地。ここに来れば、なにか起きるよ。

雑貨屋「ハプニング」は町の文化発信基地。ここに来れば、なにか起きるよ。

三崎港の商店街にひときわ存在感を放つ空間が誕生した。

その名も、雑貨屋「HAPPENING(ハプニング)」。2021年のクリスマスイブにプレオープンし、22年1月にグランドオープン。

お店のコンセプトは「日常に小さな事件を」。

全国各地で活躍する料理家や編集者らがセレクトした雑貨の販売に加え、落語会や映画上映会、トークイベントも定期的に開催していく。

今、三崎の町はこの新たな〝文化発信基地〟の話題で持ちきり。ここへ来ると、何かが起きるかも!? 担当は瀬木広哉です。

扉をくぐると、そこは異空間

三崎港のバス停で降車し、商店街へ。十字路を左折してしばらく歩くと、名店「くろば亭」の少し手前、左手に黄色い建物が見えてくる。

外から見ても異彩を放つポップな空間。どうか気軽にご入店を!

かつては呉服店だったこの建物。ガラスの扉を開けた瞬間、目に飛び込んでくるのは、壁中に描かれた色鮮やかでポップなイラストだ。

作者は人気イラストレーターのunpis(ウンピス)さん。大企業の広告なども手がける気鋭が今回、お店のために描き下ろしたという。

ガラス面には愛くるしいおばけが。あるいは、毛布をかぶった子どもかも?
10円のショップバッグにもunpisさんのイラストが。袋がすでにグッズのよう

計算された、心地よいカオス

グラスが傾いて水がこぼれていたり、熊がバナナの皮で滑ってひっくり返っていたり、人も犬も猫も大わらわだったり……

親に連れられて来店し、イラストを見て大はしゃぎしている小さな子どもの姿もちらほら。芸が細かく、天井に設置された電灯もよくみると「HAPPEN」の文字に。

歴史を感じさせる木の風合いと鮮やかなイラストが、違和感なく同居している

コンセプト通り、「小さな事件」が起きる予感でワクワクしてくるような空間。

通りに面したガラス面にもカッティングシートでイラストがあしらわれていて、そちらもとっても可愛いのですぞ。

unpisさんもお忍び来店

性別や年齢を公表していないunpisさんですが、プレオープンの際にお忍びで来店したそう。その場に立った感動や、作画の意図や見どころをTwitterに投稿しています。

たしかにこの圧巻な感じは、写真ではなかなか伝わらないかも……

一押しの商品をご紹介!

 現在店頭に並んでいる雑貨は食品から食器、美容関連の商品、民芸品、アクセサリー、衣料品などさまざま。その中から人気商品をいくつかをご紹介します。

MISAKI CURRY BOOK

一番の売れ筋は「MISAKI CURRY BOOK」。鎌倉のスパイス商社「アナン」と共に開発した第1号のお店オリジナル商品。

漁港・三崎らしく、白身魚、青魚、赤魚それぞれに合う3種のカレーのスパイスと、おかず一品用のスパイス、アチャール・チャイの茶葉をひと箱に。量はおおよそ3、4人前とのこと。

魚や野菜といった食材は同封されていないので、各自でお買い求めを。

マリールゥのパンケーキミックス

新潟を拠点に活動する「marilou」さんの、豆乳だけで作れるパンケーキミックス。もちもちとしたパンケーキは一度食べたら忘れられない美味しさ。

知る人ぞ知る逸品だけに、「三崎でマリールゥを買えるなんて!」と喜ぶ人も。スタッフもみんな大好物だそう。

桉田餃子の「按田餃子のタレ」「味の要」「豆豉ミックス」

代々木上原と二子玉川に店を構え、ミシュランガイドのビブグルマンにも選ばれている水餃子の名店「按田餃子」の自家製調味料3点が、なんとここで買えてしまう。

「按田餃子のタレ」「味の要」から購入する人が多いが、「豆豉ミックス」もアイスクリームから炒め物、サラダまで、何だって味変させてしまう万能調味料。キャラメルコーンにふりかけて食べるのもオススメだとか。

ruinuno(ルイヌノ)

ウールガーゼ 大判ストール ブラック【AKARI】
ウールガーゼ ストール ベージュ【AKARI】
ウールガーゼ ストール ベージュ【NAMI】

プレゼント用に購入する人が多いのが、ストール作家rui(ルイ)さんが手掛ける「ruinuno(ルイヌノ)」のストール。希少な技術によって生み出される繊細かつ大胆な色彩は、世代を問わず人気だ。

ルイさんは三宅デザイン事務所をへて独立し、現在は三崎在住。たまにお店に顔を出すので、運が良ければ作家本人と会えるかも?

スタッフも愛用中!身につけていると褒められることが多いそう。「どこのブランド?とよく聞かれます」

暖かくなるこれからの季節はリネンの商品や、エコバックなどを拡充していく予定です。お楽しみに!

熊乃屋阿野みやげ店の「おっちゃんこ熊」

密かな人気商品が民芸品の木彫りの熊。といっても、一般にイメージするそれとは違い、なんとも愛くるしい顔つき。

手彫りのため、実は一つ一つ顔が異なる。男性人気も高く、「この子と目が合っちゃって……」と1匹を大事そうに抱えて買える人が続出とか。

満員御礼! お店が寄席会場や映画館に

……とよくあるおしゃれな雑貨屋さんとは一味違ったラインナップの「ハプニング」。

このお店のもう一つの特徴は、店内に備えられたステージ。商品棚をすべて撤去すると、座りで50人ほど収容できるイベントスペースへと様変わりする。

スタッフの強い希望で出演が決まった真打、瀧川鯉八さん。人間の俗っぽさを笑いに変える独創的な新作落語に、地元の人たちも釘付けに

記念すべき第一回目の「ハプニング寄席」には、瀧川鯉八さん、瀧川鯉丸さんのおふたりが登場。大盛況のうちに幕を閉じました!

横須賀市出身の二ツ目、瀧川鯉丸さんは滋味深い人情噺を披露。洒脱な語り口に、観客みな大いに酔いしれました
寄席のある日はスタッフ一同はっぴ姿でお出迎え

おれも腹がよじれるほど笑ったぞ〜

三崎に来たら、マグロを食べて、海産物や野菜を買って、そして雑貨屋「HAPPENING」へ。

ここから始まる町の新展開に、乞うご期待!

information

店舗名:HAPPENING(ハプニング)

所在地:神奈川県三浦市三崎1丁目11−4

営業時間:祝祭日の午前12時〜午後5時

お問い合わせ:mineshingo@atashisya.com (担当:ミネ)

駐車場:なし

お支払い方法:現金、クレジットカード、電子マネー

瀬木 広哉この記事を書いた人瀬木 広哉
1978年生まれ、兵庫県出身。元共同通信記者。2022年から横須賀に居を移し、三浦の出版社「アタシ社」で編集者として働きはじめました。たまに「本と屯」や「雑貨屋HAPPENING」のお店番をすることも。少しぼーっとしているように見えますが、心の中ではシャキッとしています。たまに路地裏を高速で移動している人がいたら、猫を追う私です。

Other Articlesその他の観光の記事

Page top