2020.02.23

三崎で最高の朝を迎えるための、港に佇む小さなお宿。Bed&Breakfast「ichi」

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三崎で最高の朝を迎えるための、港に佇む小さなお宿。Bed&Breakfast「ichi」

三浦半島の南端・三崎に、夫婦で営むB&Bスタイルの宿「ichi」がある。ひとり客、カップル、ファミリー、それぞれのゲストに寄り添い相手と同じ握手の強さで握り返すようなサービスが心地よく、私が三崎に宿泊するたびに足を運んでいる場所だ。かつて作家・いしいしんじさんも暮らした築80年の日本家屋を手づから宿に仕立て直し、三崎の食材をふんだんに使った朝食でゲストをもてなす成相修・祐美夫妻に話を聞いてきた。取材担当は編集部の橘です。

人と人、人と自然を繋ぐ

三崎港の下町を東へ抜け、真っ赤な城ヶ島大橋を仰ぐ岸のほど近くに「ichi」はある。 かつては三崎港に立ち寄る船員のための下宿所として、また作家・いしいしんじさんの住居として。長い年月この街と共に生きてきた日本家屋で、青いトタン壁が目印だ。

ご主人の“ころちゃん”こと成相修さんがichiを開業したのは2016年の秋、友人たちと半年かけてこの宿を手づくりした。開業準備中に出会った奥さまの祐美さんも、ichiづくりを担ったひとり。夫婦で試行錯誤をつづけながら宿を営んできた。

ころちゃんはプロの釣り師でもあり、林間学校教師の経歴も持つ。出身は埼玉県で、幼い頃母に連れられ三崎の森や海で過ごした原体験から、三崎の豊かな自然で遊ぶアクティビティを企画・催行している。

三崎の魅力は何ですか、と聞くと、「ひと」という答えが返ってきた。海南神社のお祭りを中心に営まれるこのまちは、ひととひととの繋がりが濃いのだという。まち歩きを楽しみたいゲストには、手づくりの「みちくさMAP」を手渡し、それぞれのニーズに合わせておすすめのお店やその店主の人となりまで詳しく教えてくれる。

他にふたつとない、全室手づくりのこだわり

ころちゃんとゆみさんに宿のなかを案内してもらった。1階のカフェ・ラウンジでは、チェックイン・チェックアウト、そして朝食を提供する(※3日前までの要予約で夕食も提供可)。18時以降は宿泊客以外のかたも楽しめるバーになる。

お部屋紹介01「sarashi」

部屋は4つ。2階に上がって一番奥のsarashiは、お子さま連れのファミリーに人気の部屋だ。窓の外には海、高い天井にはイカ釣り漁船のランプを灯し、床にひとつひとつ手張りした板で波を表現した。

お部屋紹介02「moku」

隣のmokuは、2段ベッドの部屋。突きあたりの窓からは港町を見下ろせて、角材を敷き詰めた床からはぬくもりを感じることができる。

お部屋紹介03「komorebi」

一番手前のkomorebiは、最も人気の部屋。広々とした和洋室で、正面の小窓からは気持ちいい日差しが入り込む。

お部屋紹介04「tane」

1階に降りると、tane。幅の広い板の間で、窓からは海風、夏の夜なんかは心地よいだろう。

共用スペースにもこだわり

洗面所とトイレは各階に1つずつ。1階のお風呂にはシャンプー等が備えつけてあり24時間利用可能だが、0:00~6:00のドライヤー使用は音が響くためお控えいただいているとのこと。

2階の洗面所をきれいに彩るタイルは祐美さんの力作。
橘 采花この記事を書いた人橘 采花
1993年生まれ、東京在住。星野リゾートへ就職し竹富島・松本・大町の宿にて接客業を経験したのち、株式会社meguriにて業務改善コンサルティングに携わる。2020年からは音楽ユニットのマネージャーに転身。2018年の「本と屯」訪問をきっかけに、三崎に通いはじめました。好きなものは海、下町の人たち、そして鈴木干物店の七輪で食べるメカジキ干し。

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